メキシコETSとは、何ですか?
- Saquita
- 16 時間前
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更新日:5 分前

Hola!ライトイヤー・メキシコ代表の和納です。
近年、メキシコは世界で9番目に温室効果ガス(GHG)を排出する国となっており、政府および国民の間で温室効果ガスに対する関心と危機感が非常に高まっています。すでに、メキシコETS(排出量取引制度)の本格導入に向けた取り組みも始まっており、今後の動向が注目されます。
今回は、メキシコにおけるGHG対策の取り組みや、それが我々日系企業に与える影響について見ていきましょう!
目次
1.ETSとは、排出量取引制度の略称
2.メキシコの導入状況
3.ETSや炭素税が日系現地法人に与える影響
1.ETSとは、排出量取引制度の略称
ETSは、「Emissions Trading System」の略で、日本語では「排出量取引制度」と訳されます。これは、温室効果ガス(GHG)の排出量を削減するために、排出権を市場で取引する制度です。具体的には、排出量が多い企業や事業所に対して政府が排出枠を割り当て、その枠内での排出を義務付けるとともに、余った排出枠や不足分を他の企業と取引できるようにする制度です。
2.メキシコの導入状況
メキシコは2020年、ラテンアメリカで初めて排出量取引制度(ETS)を導入し、試験運用を開始しました。これにより、同国の排出量取引制度は「メキシコETS」と呼ばれています。
準備段階および試験運用開始後には、メキシコの関係者がドイツなど、すでにETSを導入している国で知見を学び、それを国内で共有・活用することで、メキシコETSの運用に貢献してきました。
情報筋によれば、メキシコETSは2026年に本格導入される可能性があるとのことです。
一方で、メキシコ連邦政府としてはまだETSを本格導入していないものの、州レベルではすでに32州のうち11州が炭素税を導入しています。
導入開始した州および市
ヌエボ・レオン州 Nuevo León
タマウリパス州 Tamaulipas
ドゥランゴ州 Durango
サン・ルイス・ポトシ州 San Luis Potosí
グアナファト州 Guanajuato
ケレタロ州 Querétaro
サカテカス州 Zacatecas
メキシコ市 Ciudad de México
モレーロス州 Morelos
ユカタン州 Yucatán
3.ETSや炭素税が日系現地法人に与える影響
当社メキシコ法人が所在するアグアスカリエンテス州では、現時点でETS(排出量取引制度)や炭素税は導入されていません。ただし、導入にあたっては、企業に排出量の責任を課すと同時に、事業運営に大きな影響を及ぼさずに炭素排出量の削減を促す必要があるため、証拠に基づいた価格設定を行うための広範な分析が必要と考えられます。
すでに導入が進んでいる地域では、税制上の優遇措置が講じられていることから、一概にマイナスの影響を受けているとは言えません。しかし、企業側としては州ごとに制度の対応が異なるため、情報収集が困難な状況となっています。現地企業によれば、今後は状況を注視しながら柔軟に対応していく方針とのことです。
一方で、税務当局側の見解としては、現地紙の報道によれば、企業に排出量の責任を法的に課すことには困難が伴うと説明されています。
メキシコ進出をご検討中、またはメキシコ進出後の労務、会計、税務に関してお困りごとが有りましたら、お気軽に弊社にお問い合わせください。
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