メキシコの電子請求書CFDI、補完情報の不備で1件600ペソの罰金も?【2025年版】
- Saquita
- 8月13日
- 読了時間: 3分
Hola!ライトイヤー・メキシコ代表の和納です。
メキシコで事業を行うすべての法人・個人事業主に義務付けられている電子請求書制度「CFDI」。2022年に第4版(CFDI 4.0)が導入され、2023年から完全義務化されたこの制度は、2025年現在も引き続き適用されています。
一見すると単なる請求書発行ルールのように思えますが、補完情報の記載漏れや誤記、キャンセル期限の超過など、ちょっとしたミスでも1件あたり数百ペソの罰金につながる可能性があります。特に現地任せにしがちな日系企業の場合、本社が制度を理解していないことでリスクが増大するケースも少なくありません。
本記事では、CFDI制度の概要から、具体的なペナルティ事例、そして日系現地法人がリスクを最小化するためのポイントまでを分かりやすく解説します。

目次
1. メキシコの電子請求制度「CFDI」とは?
2. 1件あたり400〜600メキシコペソのペナルティ
3. 制度は今も継続中(2022年導入 → 2023年義務化 → 2025年も有効)
4. 日系現地法人のリスク回避
メキシコの電子請求制度「CFDI」とは?
メキシコでは、すべての法人・個人事業主が電子インボイス(CFDI:正式名称Comprobante Fiscal Digital por Internet)を発行する義務があります。このCFDIは、商品・サービスの売上や給与、経費精算など、ほぼすべての取引で発行が必要です。
2022年1月1日に導入されたCFDI 4.0(第4版)は、2023年から完全義務化され、2025年現在もこの制度が継続中です。
1件あたり400〜600メキシコペソのペナルティ
メキシコ税務局(SAT)は、CFDIについて、次のようなペナルティを科すことがあります。
【1】補完情報なしの請求書(Factura sin complementos)
補完情報(complementos)を記載していないCFDIを発行した場合、1件あたり400~600メキシコペソの罰金が科されることがあります。
【2】誤記を含むCFDI(CFDI con errores)
繰り返し発生する誤記・整合性のない記載なども同様に、400~600ペソ/件のペナルティの対象となります。
【3】期限外キャンセル(Cancelación fuera del plazo)
CFDIのキャンセルが期限を過ぎた場合、その請求書金額の5~10%相当の罰金が発生します(1件ごとに加算されます)。
補足:CFDIは「発行した会計年度内」でしかキャンセルできません。また、キャンセルの際には理由の明示と裏付け書類の提出が義務化されています。
制度は今も継続中(2022年導入 → 2023年義務化 → 2025年も有効)
CFDI 4.0は2022年に導入され、翌2023年から発行が義務化されました。2025年現在も、SAT(メキシコ税務当局)はこの制度を維持・強化しており、必要に応じて随時アップデートを行っています。
日系現地法人のリスク回避
メキシコに法人を持つ日系企業にとって、現地任せにせず本社でもCFDI制度を理解しておくことが重要です。特にCFDIに記載する内容は、営業部や経理部の判断を要する項目も含まれるため、現地会計士への丸投げはリスクになります。定期的なレビュー・発行プロセスの可視化・補完情報の社内マニュアル化などで、ペナルティリスクを最小限に抑えましょう。
メキシコ進出をご検討中、またはメキシコ進出後の労務、会計、税務に関してお困りごとが有りましたら、お気軽に弊社にお問い合わせください。
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